『ダホンのMu P9とブロンプトンのM3L比べてみました』
今回はサイクルパラダイスでもお買取り、販売ともに大人気の2機種です。アメリカのダホンとイギリスのブロンプトンです。2台とも人気なのは間違いありませんが、ハッキリ言うと全く種類の違うミニベロです。今回はそういった明らかな違いから、人気のミニベロ2台を比べていきます。始めにミニベロのご説明をしていきます。これを読んでからであれば、2台の違いは明らかです。またミニベロユーザーの多くの方は、そのコンパクト性もあってか何台も所有したり、買い替えのご要望も多くサイクルパラダイスで頂きます。どうしても比較検討したくなりますね。長くミニベロをお買取りしてきたサイクルパラダイスだからこそわかる、ミニベロの違いや面白さを知って頂けたら幸いです。
「折りたたみ小径車と畳めない小径車」
まずサイクルパラダイスでは、ミニベロと大きくカテゴライズしていますが、なかでも、折りたたみのタイプをフォールディングバイクと呼ぶ事が多いようです。日本では折りたたみ車ですね。ダホンでは折りたたみ出来ない小径も作っています。このタイプはクラシックなミニベロにも多くあり、ビアンキやジオスも毎年ラインナップしています。走る事に特化し、コンパクト性の為よりも、小径ホイールを楽しむ自転車と言ってもいいでしょう。様々な機能が入っている事は良いことですが、必要以上の機能は使う中でマイナス面も多くあります。ですので小径車に興味を持ったとして、折り畳む必要がないのであれば、様々な、折りたためない小径車がございますので、一度ご検討して頂きたいと思います。
フォールディングバイクのポイント
各社様々なデザインや機能の折りたたみ自転車を作っています。大きな作りの違いのポイントとして言えるのは、折りたたみ機能の違い、サスペンションの有無です。フォールディングバイクが追い求めるのは、いかにシンプルに折りたため、それでいて剛性も損なわず、運びやすい。そして乗り心地がいい、もしくはスポーツバイクとしての性能が高い。実はフォールディングバイクはクロスバイクと同じく、競技という文化から生まれた自転車ではありません。ですのでクロスバイクと同じく明確な規定やサイズはありません。タイヤサイズも20インチが主流ですが、16インチもしくはそれ以下から、26インチもしくはそれ以上の、フォールディングバイクがあります。これには各社明確なコンセプトがあり、それによってタイヤサイズから、サスペンション、ジオメトリーなど様々です。
【様々なミニベロブランドについてはこちらら】
折りたたみ機能の違い
個人的にはここが一番ミニベロの面白い所であり、魅力的な所でもあります。自転車という機能を損なわずにどうやって折り畳み機能を付けるか。これは各社様々なヒストリーがあり、それぞれのブランドの魅力そのものといってもいいでしょう。それ故に生まれるデザインは、折りたたみ機能を表しているので、ある意味では機能美といった趣があります。なかには折りたたみの機能は二の次にして、走りを重視したマシンもあります。自転車の面白いところですが、全ての機能を備えつつ全てにおいて最高の性能をもつ自転車はありません。タイヤの径がそれをよく表していますが、タイヤ径が小さければ初速は非常に楽ですが、速度の持続性が落ちます。逆にタイヤ径が大きければ、巡航性はいいですが、トップスピードまではミニベロのようにはいきません。限られたスペースの中に、走行機能、変速機能を持ちながら、折りたたみ機能を入れるのは開発者が悩む所であり、面白い所でしょう。
各社のコンセプトの違い
明確な規定がないだけに、速さだけを競うロードバイクとは、メーカーコンセプトがかなり違います。「こういう人に使って欲しい」という思いが様々な形になっていて、ミニベロのデザインは見ているだけでワクワクしますね。スポーツバイクらしくスピードを追求したものは、出来る限りの軽量性と比較的長いロングホイールベースが特徴です。また快適性(乗り心地の良さ)を追求して、小さなサスペンションを付けた車体が多くあります。マウンテンバイクのように大きなギャップに対してのサスペンションではなく、路面の微振動のみを吸収する目的のものが多いようです。またスポーツバイクとしての機能の特化を目指し、折りたたみの簡易性は後回しのマシンもあれば、折りたたみ機能や、コンパクト性のみに特化して、走りの機能はあと回しというタイプもあります。
ダホンのMu P9
9段変速、11.8kg ダホンの折りたたみ機能は非常にシンプルです。全ての折りたたみ自転車のお手本になったと言っても良いほどのシンプルな機能を持っています。Mu P9はダホンの中でもスタンダードなマシンです。そしてダホンの特徴の一つですが、サスペンションやブッシュ機能はありません。それ故にシンプルで、走りもクセがなく、しっかりとした剛性感があります。また毎年こまかな改良を加え、少しづつその基本性能を上げています。
ブロンプトンのM3L
内装3段、11.4kg ホイールサイズ16インチです。ブロンプトンの特徴はまず本国生産という事です。それ故に細かなパーツまでブロンプトンらしさがあり、ブロンプトンにしかない雰囲気、価値観を出す大きな理由になっています。またスポーツ性能よりも比較的に、快適性と日常の中での使いやすさを追求しています。まるでスタンンドのようにリヤホイールは畳めるので、ここだけ畳んで駐輪する方も多く見かけます。
【この2車種を比べると】
ダホンのMu P9は折りたたみ自転車を初めて買ってみようという方にオススメのモデルです。先の説明で様々なミニベロを紹介しましたが、その中での中間にあたるマシンです。車で積んで、観光地でちょっとしたツーリングから、毎日の通勤、近所のポタリング(自転車散歩)など全てにバランスのいい性能を持っています。そしてブロンプトンのM3Lは、履きやすいスニーカーと職人が作る革靴が合わさった存在です。美術館で、まるでカートのように引いて歩く紳士を見た事があります。自転車というよりお気に入りの道具のような、独特の高級感とカートのように運べる使いやすさ。英国という町並みを想像してしまいます。またアメリカ生まれのダホンは、わかりやすくシンプルで合理的です。自転車を作るメーカーは必ず、乗り手を意識して作ります。ユーザーのライフスタイル全てに変化してくれる自転車がないのは、ご理解頂けたと思います。それ故に全てを求めるのではなく、どういうライフスタイルを求めているかがわかれば、ぴったりの1台か見つかることでしょう。