『ロードバイク初心者の購入時に知っておきたい知識』
サイパラで店頭にいますと、「ロードバイクを始めようと思ってます」といったお客様がよく来られます。事前に色々と調べて来る方もいますが、基礎知識なしの方も多くいます。
そういった時によく聞かれる質問を、サイクルパラダイススタッフならではの視点も交えてお答えしていきます。
今回のケースは車体購入時のご質問です。
「なぜこんなにも価格が違うんですか?」
「フレームの違いってなんですか?」
「イタリアのメーカーは全てイタリア製?」
「サイズってどこのサイズの違い?」
「どういったメンテナンスが必要ですか?」
こういった質問をよく頂きます。実際にロードバイクに乗っている方でも、以外に知らなかったりする事もあります。出来る限りわかりやすくご説明していきましょう。
「なぜこんなにも価格が違うんですか?」
たしかにこの疑問は納得します。初めてだとデザインやカラーリングなどの違いしかわからず、パーツやブランドの違いには知識が必要ですよね。こんなときによく勘違いされているのが、高いブランドがあると言う事です。
たしかに高級ブランドは存在します。ここで大切なのは洋服と違い、ブランドマージンが洋服ほど発生していない点です。
洋服の場合には、同じボディのTシャツにブランドロゴがあるだけで、倍の値段がしてしまう事もしばしば。これはプロモーション費用などが多く含まれている点が大きいと言われてます。
自転車の場合もそういった要素はありますが、色々なパーツが集まって出来ている自転車の特性上、個々のパーツのグレードが完成車の価格に大きく影響します。これは、メーカーが色々なブランドを使って完成車を売り出しているからですが、その理由は後ほどご紹介。
そしてグレードの違いとは?とういう事になりますが、わかりやすいのがシマノです。
シマノのロードコンポーネントは、大きく分けて5〜6段階あります。これは他のパーツ、ハンドルやサドル、ホイールといったものも同じですが、「精度」「強度や剛性」「軽量性」「それらに影響する素材」「それを加工する行程」などによってグレード(価格)が変わってくるのです。
「フレームの違いってなんですか?」
それぞれのパーツにグレードがあるのと同じく、厳密には複雑な要因はありますが、大きく分けてフレームにも種類とグレードが存在します。まず種類ですが、素材がまったく違ってきます。
主な素材として「クロモリ」「アルミ」「カーボン」があります。
「クロモリ」は鉄ですが、ママチャリの鉄とは違い丈夫なものが使われています。
「アルミ」は現在、もっとも流通量の多いスポーツ車の素材です。
「カーボン」は金属ではなく炭素繊維です。現在の高級車の多くはこの素材が使われています。
この他にチタンや、異素材を組み合わせたものなどが存在します。この素材の種類でも、グレード(価格)が変わってきます。
そしてグレードです。クロモリ素材の中でもブランドがあり、それによって性能が変わってきます。これはアルミも同じと考えていいでしょう。
カーボンも同じですが、カーボン素材のブランドはそう多くはありません。有名な東レであればT800やT1000といった具合にグレードが存在します。他の素材もそうですが、カーボンの場合は、製造行程も色々とあり、これによってもフレームの価格が変わります。
これらの素材の種類と、グレード、製造の仕方によって性能が変わります。どういった性能?というのは今回は省きますが、ロードバイクであれば単純に、「長い距離を速く走るための性能」と思って頂いていいでしょう。
「イタリアのメーカーは全てイタリア製?」
ロードバイクの本場はイタリアです。イタリアンバイクには独特のエレガントさや、華やかさがあります。しかしよく見るとメカ類はシマノ、ホイールもシマノだったりします。お客さまの中には、イタリアンブランド=すべてイタリアで作られたもの、とういう誤解がありますが、実際にはイタリアンブランドバイクであっても、それがトップモデルであっても、全てのパーツを本国で作っているという事は、ほぼ無いわけです。
クルマメーカーも全てが本国生産でない事は皆さんご存知かと思いますが、現在10万前後のロードバイクは、殆どが台湾、中国生産であると思って頂いていいでしょう。このあたりのロードバイクは性能差があまりないとも言われています。これはフレームも含めて完成車が、台湾のOEMメーカーで作られている事が大きな要因です。これによって均一で安定した供給は可能となりましたが、個性が失われているのも事実です。
ではどこにイタリアンスピリットが?となってくるわけですが、主にフレームの製作がメーカーの主たる部分になります。トップモデルのフレームは自国生産していたりします。そして自転車は様々なパーツの集合体です。それぞれのパーツには、それぞれの専門メーカーがあるわけです。フレームを主体として、それらパーツをどのように組み合わせ、どういったデザインにし、どういった性能を求めるかが、各メーカーの完成車の個性となっていきます。
「サイズってどこのサイズの違い?」
スポーツバイクのサイズ、特にロードバイクのサイズについては非常にシビアな側面があります。サイズ設定については今回は省かせて頂き、スポーツ車のサイズがどういった意味を持ち、どの部分を表しているかをご説明していきます。
まず初めてスポーツバイク購入の方は、サイズがある事を知らない場合があります。もしくはホイールサイズと勘違いされている方も多くいます。一般車(ママチャリ)は、24インチや26インチといった具合に、身長に合わせてホイールサイズを選択しますが、スポーツ車の場合はフレーム事体のサイズを表しています。
一般車は安全に股がる事が出来れば、問題はありませんが、スポーツ車は速く走るために、同じホイールサイズであっても、ハンドルまでの距離や、前後ホイールの距離などが変わってきます。簡単に言えば速く走るためのポジション(姿勢など)のためですが、サイズが合わないと、姿勢を保つ事が困難になるばかりか、疲労の原因や、安全な乗り方に影響します。
そして気を付ける点がもう一つ。多くのメーカーがシートチューブ長を表していますが、各メーカーがMサイズや、480mm、などといった表記をしていても、同じサイズという事はありません。これは洋服も同じですね。同じMサイズであっても、日本とアメリカでは大きく違います。また480mmと表記してあっても、メーカーごとに測り方が違います。適正の身長表記があっても、個人で手足の長さは大きく違います。カラダの柔軟性や筋力も影響します。スポーツバイクを購入の際は、是非、専門店にて実際にフィッティングしてもらう事をオススメします。
「どういったメンテナンスが必要ですか?」
とてもよく頂く質問の一つですが、初めてのスポーツバイクは色々な事が心配になります。なにか特別なメンテナンスをしなければ良くないというイメージがあるようですが、初めての方であれば専門的な事はまず、専門店にお任せする事をオススメします。特に新車に関しては、初めのうちに各部の弛みや、調整ズレといった事が起こりやすくなりますが、箇所によってはトルク管理、専門工具を必要とします。
専門的でない部分でオススメしたいのが、空気圧管理とクリーニングです。「どういった工具が必要ですか?」といった質問も始めによくいただきますが、まずは空気入れを購入してください。特にロードバイクであればなおさらです。スポーツ車の空気バルブは一般車とは違います。そして空気圧も一般車より高気圧で、指定気圧があります。タイヤの空気圧は安全性、走行性能、タイヤの耐久性に大きく関わります。より細く、より高気圧であるほどこれはシビアになります。
そして最後にクリーニングです。これは老舗の自転車ショップほど、まずはクリーニングとおっしゃる店主さんも多くいます。クリーニングをする事で、細かな車体の変化に気づきます。また、汚れが付いている=水分が付いているとも言えます。水分は鉄製品にとって大敵です。リム面の汚れはブレーキシューやリムの寿命を縮めます。メカ関連はオイルの飛散によって黒ずんで来ます。黒ずみは摩耗したメカや汚れを油分が吸収したものです。これを落とさず注油しても本来の性能は得られません。愛車をキレイに保つ事で、自転車を大切に扱うようになり、運転も雑になりにくくなります。初心者の方で、とにかく注油をたくさんする方がいますが、汚れを取らずに注油するのは、フライパンを洗わずに油を敷いて料理するようなものです。まずは空気管理とクリーニングを心がけましょう。
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