デュラエースのモデルチェンジには、毎回色々な噂が先行して日本、海外問わず良い意味で期待が高まるトピックスになっています。それぞれの憶測や、噂が一人歩きし、リークされた写真が出始めると、あっという間に世界中に拡散されていきます。
そんなロードバイクフリークが気になる点は、大きく分けて2点。機能面での追加とブラッシュアップ。もう一つは、やはりデザイン。機能が全てを物語るレースの世界において、機能美こそが正義となるのも確かですが、プロレースやハイエンドな車体の搭載率において圧倒的なシェアをもつデュラエースは、それらのトータルのデザインに大きく影響を及ぼします。
機能面で大きくトピックスとなっているのが、油圧ディスクとパワーメーターの搭載です。この2点は、現在のロードシーンからのシマノの当然の回答でもあり、先行する噂でも精度の高い情報が流れていました。
そして、憶測が先行しすぎた12速化はさすがになかったものの、細かな点で確実に進化を遂げている新型デュラエースを、機能面ではメーカー情報や各情報媒体でしっかり紹介されているので、サイパラ的な視点を中心にご紹介していきます。
まずは自転車の横顔としても、今回シマノが開発コンセプトとする「ライダーの出力を余すことなく推進力に変えること」においても重要な役割を果たすクランクからご紹介。
デザイン的には9000継承の4アームデザインで、クランクの形状が大きく変わった。これにより高駆動率を高めているとの事ですが、リヤのエンド幅に対応している点も見逃せない。キャリパーブレーキも28c対応と、世界的な潮流を決して外さずに設計している。プロトタイプ段階でのリーク写真では、パワーメーターが後付けのようなデザインで、シマノらしくないという前評判を見事に覆し、アーム内側にセンサー設置と、バッテリーはなんとアクスル内部に搭載するというスマートな方式をとってきた。
デザインに関しては全体的に言える事だが、フルブラックを基調としている。ラグジュアリーさよりもシンプルを優先した印象だが、カンパニョーロの新しいポテンザ感と少し被る。ここしばらくの、ロードバイクの多くのカラーリングは、モノトーン系が中心だったように感じる。現在でもカーボンをメインマテリアルとしているだけに、しばらくはモノトーン路線にマッチするフルブラックのデザインは、良くも悪くも無難と言ってしまおう。
メカ類の中でも唯一、身体とのコンタクトがあり、この部分のデザインは機能的な面からも、ロードバイクらしくある最も重要な面構えとしても重要なSTIレバー。全体的に見て、より精巧に完成度を高めてきた印象です。
操作感はとても重要な要素ですが、シフトフィールにおいて、他の追随を許さないシマノらしく、少ないストロークを実現しながら、少ない力でのシフティングが可能との事。このあたりのブラッシュアップは、シマノは決して裏切らないところが凄い。
デザイン的にはレバーがより直線的に、グリップ部はよりエルゴ感を増している。見るからにシマノらしいシャープなデザインは、無難ではあるが、クランクの無難さとは違い、完成度と高精度がうまく融合して、個人的には好感度が高い。
コンポーネントの中でも、最もメカニカルなデザインを象徴するリヤディレイラー。よりシマノらしいデザインとなった印象だが、新しいカーボン製のプーリーゲージや、マウンテンバイクでは同じみのシャドーデザインなど、機能美を追求する形がまさにシマノらしさを表している。近年ではエアロ化も一つの潮流ですが、そういった面にも影響がありそう。フレーム取り付け台座もMTBタイプのデザインを取り入れ、曲線の時代からよりシャープな印象への移り変わりを感じさせる。写真のタイプは実は電動タイプだが、モーターも内側に配置され、DI2である事を感じさせないほどになっている。
以外に大きく刷新されているのがフロントディレイラー。見た目にもわかるコンパクト化を果たしている。前回のロングアーチ化で軽い変速し性能を獲得していただけに、もはやアーチがなくなってしまったのは、ケーブルアジャスターを本体に付けてしまった事が大きいようだ。フロントのワイヤーの取り回しは、近年のエアロ化などが要因で、様々なフレームに対応しなければいけないが、その解決策をうまいこと納めてきた。
キャリパーブレーキも、スマートに力強く進化を果たしている。シマノはブースターの追加によって、より強力なブレーキングと剛性を獲得してきたが、今回は左右のピボットのリンクによって、アームのたわみをかなり軽減している。ディスクブレーキの投入で、手を抜いても良い所を決しておろそかにしないシマノはやはりすごい。ぱっと見のデザインは変わらないが、別のキャリパーとも言えるほどの進化かもしれない。
おそらくこの部分でも他のメーカーの追随は難しいと感じる完成度に成功している。
実は個人的に最も気になっているのが、ディスクブレーキだったりする。デュラエースの名を冠しながら、ブラッシュアップではなく、今までになかった新しいプロダクトの登場は、シマノがトップモデルとして作る製品として非常に気になる。もちろんUCIなどの問題はまだあるかもしれないが、業界の方向性を変えてしまうかもしれない。マウンテンバイクのような剛性は必要なく、フラットマウントを始めとして、ロードバイクのデザインに合うシマノらしいプロダクトとなっている。放熱のための内周部のブラックカラーと、外周部のシルバーは、フルブラックでまとめてきた今回の全体的なパーツ達のなかにあって、良いアクセントになるイメージがある。もちろんシマノが発表している機能的な面も申し分なく、あくまでもレースシーンを想定した性能は、しばらくはやはり他の追随を許さなそうな感じです。
いかがでしょう?新しいデュラエース。やはり賛否両論ですね。個人的にはもう少し色気が欲しかった所はあります。ですが今後カーボンパーツは細部に至るまで、ますます増えていく可能性が高いと思われます。かつてスチール全盛の時代から、アルミの時代、カーボンの時代へと移りかわり、それに伴いメカ類の質感も、金属的な感じから、よりカーボンに似合うように徐々に移り変わっているようにも感じます。
また立体的な造形の部分でも、トヨタのレクサスのように、エッジが効いたデザインへと日本のプロダクツは変化しているようにも感じます。カーボンフレームは、現在のエアロ化やコンフォート性能の追求によって、今後さらに有機的な形へと流れていきそうです。そんな中にあって、以外に無難に思える今回のデュラエースのデザインは、完成車として見たときにしっくりと感じました。
そしてなにより、常に世界市場とレースシーンにリンクしながらのシマノの進化は、誇らしくもあります。世界に誇るべきジャパンプロダクトの代表とも言えるシマノですが、行くは10000デュラエースが控えています。おそらく本当のエポックはそこにあるでしょう。
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