いったいいつからだろうか?変速のワイヤレス構想がささやかれ、途中にマヴィックのMEKTRONICが登場し、期待はしつつもシマノ、カンパと電動化はしつつもワイヤレスには至らない。世の中は色々なものがワイヤレス化してるのに、なかなか登場しなかった。モーターの問題、バッテリー、そして混線の問題は大きかったようです。ここに来てスラムがついにワイヤレス化に成功。これでワイヤー交換や取り回しの面倒さ、変速調整から解放されますね。
立ち位置としてはREDとなるようです。そして下位グレードの展開は?現在はノーコメントらしいですが期待したいところですね。なぜなら日本での発売価格ですが写真のセットで4000ドルという発表がされています。完成車超えましたね完全に。ですがレバー、RD、FDのセットで2000ドルとなっています。これなら現実的ですね。現在のシマノセットのバイクに組み込んでいく事は可能でしょう。
一番大切な操作性を決めるレバー部分。発表によると右のレバーでシフトアップ、左のシフトレバーでシフトダウンとの事です。あれ?フロントは?フロントは左右の同時クリックとの事。これは少し馴れが必要ですね。あくまでボタン操作なので、誤動作(フロント変速はギヤ比の落差がありますからね)を防ぐためと思われますが、余計に間違えそう。まあ、そこは感覚的な操作感を重視するスラムなので、使ってみなければなんとも言えませんね。バッテリーが無いと思ったら、ボタン電池のCR2032を使うようです。2年ほど使えるらしく、外でも手に入りやすい電池だけに悪くはない選択です。
リヤディレーラー、重量は230グラムほど、バッテリー込みだからなかなかですね。シマノやカンパとも違う雰囲気が、現代バイクによくマッチしそうです。やはり配線やワイヤーが無いのはいいですね。これだけを付ければいいんですから、すばらしい。肝心のペアリングですが30秒ほどで完了するらしい。作動時間は60時間。決して長くはないが、問題のない範囲に思う。かつてのマヴィックのロボットのようなゴツさはなく、通常の機械式レッドに近いのはさすがです。
なんとかコンパクトに納めてきたフロントディレイラー。バッテリー込みで190グラムいかないくらいに収まってます。もしかしてと思ったらバッテリーは互換性ありとの事。重要度が高く、さきにバッテリー切れになるだろうRDへ差し替えが出来る。なんかこうなってくると、簡単に取り外しが出来る反面、とても外に置いておける代物ではないですね。自転車にカギしててもメカ類までにはカギ出来ませんからね。
スラム曰く、今までのプロダクトのなかで最も考え抜かれているとのこと。たしかに色々なところが後発だけあって良く考えれている。不明確だったり、あまりにも理にかなってないという部分が見当たらない。シマノで言うサテライトスイッチ「BLIPS」もシンプルな構造で、レバーから有線で繋ぐだけ。ここに関しては色々な工夫が出来そうです。気になる無線方式はAIRIEAという無線通信128bit暗号通信とのこと。?聞いた事がないですね。100mほどの送信パワーを持ちつつ混戦なしで省電力。ワイヤレスはここが全てですからね、新しい技術はすばらしい。
機械式に比べて半分の組み付け時間。ワイヤーの伸びの心配はなし。ハンドル周りやフレームのインターナル処理など、ワイヤーがなくなること事体はいいことばかり。スラムはしばらくetapのアップデートはないと発表していますが、シマノ、カンパニョーロの今後の動向が気になりますね。無線問題のクリアは相当大きかったハードルなはずですが、この先5年のバッテリーやモーターの進化、ワイヤレス技術の進歩などを考えると、etapの簡易性、シンプルな形状やシステムは、機材としてのアドバンテージよりもユーザービリティを強く感じます。専門性の高かった変速調整の敷居が下がるのは、メカニックとしては寂しい話ですが、インターナル処理などで苦労したり、エアロ形状化が進むロードフレームでのワイヤーの取り回し問題など、様々なメリットがありそうです。DI2にEPSと、当たり前に見かけるようになった電動コンポですが、実際のメリットはそれほどまでには大きくなく、気を使う事が多かった印象もあります。性能面のメリットではそれほどの恩恵がない(なくはないですが)というところでのワイヤレス化。バッテリー残量の問題はいずれ解決するでしょう。それと同時に重量の増加は逆転するかもしれません。様々な新技術が生まれる現代ですが、下手な技術の高さや多機能性よりも、生き残るのは大体、シンプル化と圧倒的なユーザービリティだったりもします。
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